レイニング

騎座やシートでの推進について

日時:2013/07/22 13:59
質問者:匿名希望さん
希望アドバイザー: 玉置 徹選手
レイニングの基礎のカテゴリと言うよりも ウェスタンライディングの基本中の基本になると思う質問ですが、よろしくお願いいたします。
10年ほどウエスタンスタイルで乗っています。レイニングの競技会にも参加経験はあるのですが、いまだに思うように馬を動かせません。
(普段の乗っている馬は、レイニングホースとして調教の入っている馬や、その他の普通の乗馬とバラバラです。)
今までの数件のQ&Aを拝見しても、まずは馬が収縮した状態からでないと、いかなる運動にも移行できないというのは分かるのですが、その収縮した状態にするための“前進気勢”を持たせるのに毎回苦労しています。
馬術ではシートの安定や、騎座による推進が非常に重要だとはなんとなく理解しているのですが、なかなか上手く乗れません。騎座で押していく、又は騎座を効かせるという感覚もつかめませんし、具体的にはどのような事なのかも実は判りません。
そこでアメリカではアマチュアライダーに対してどのように指導されているのかをお教えいただきたいと思います。またシートに関するアドバイスを頂けると有り難いです。どうぞよろしくお願いいたします。

アドバイス日時:2013/07/23 13:35
アドバイス
レイニング選手
御質問有難うございます。

まず、しっかり理解して頂きたい事はレジャーウエスタンとスポーツウエスタンとは違いが大きく前者は観光や外乗を差し、後者は競技を指します。大きな違いは騎乗馬がどの様な調教をなされているかどうかで全くの別物だと言う事です。残念ながら日本ではその線引が非常にわかりにくく、またその大きな差も理解しづらい環境でのウエスタン乗馬一括りと認識しています。

伸縮とハミを含めて、馬が動く(を動かす)原理や理論は欧州式、米式、競走馬を含めて同じ馬と言う動物に限り変わらないものだと言う事は以前にもお話しましたが、馬自身は前に進む様に進化した動物で基本的に伸縮にとらわれず前進気勢がオフェンスでもありディフェンスでもある動物だと言う事を理解して下さい。ロジックを話すとまた長くなりますので、ここではある程度レイニング調教されたウエスタンスポーツ乗馬を前提にテクニック的なお話させて頂きます。

今回のお話で前進気勢と大きく枠組みしてしまっていますが、収縮を生む切欠でしかなくその本質はバネなのです。ではバネを作るために元々ある小さな気勢を利用して伸縮を繰り返し大きな力として気勢を作る訳です。ただ、レイニングには競走馬の様な爆発的な前進気勢より、指示を待つ冷静な精神状態とその安定して精神状態の範ちゅうでの強い瞬発力が重要視される事をお忘れないようにお願い致します。

米国でのレイニングは馬場馬術の最高峰と認識されており、レイニングをする方たちは皆それなりに乗馬経験がある場合が多いので、厩舎でもクリニックでもあまり基本的な乗馬の指導は無い事と私自身も本来レッスンプロではなくトーナメントプロでしたので的確なアドバイスが出来るか多少心配ですので、一般的なお話をさせて頂きます。

では、本題です。
まず、ライダーは前後左右のバランスを崩さない事が第一です。(もちろん、故意的な場合は除きます。)日本でよく見る光景としては傾いているのにホーンを持って直ぐに修正せず馬に癖を付けてしまう事や、鐙(アブミ)が長すぎて脚での指示がほとんど出来ず、脚を引く事も抱える事も脚での指示の振り分けも出来ていない事です。また、スパー(のシャンク)が長すぎて、指示以外にプレッシャーを与えてしまったり、与えない様に投げ足になってしまったりも多々目にします。鐙の的確な長さとスパーのシャンクの長さは大事です、もう一度チェックしてみて下さい。

シート(騎座)の話ですが、以前お話したブランコに例えてみます。
止まったままのブランコに座ったまま漕ぎ出す事は非常に大変ですね。そこでまず、ブランコを後ろに引いて勢い(気勢)を付ける訳ですがこれを脚での扶助と考えて下さい。
次にブランコを止めない為にも強く動かす為にも蹴り足と引き足が必要ですが、一番大事な事はリズムです。
この蹴り足と引き足を騎座として考えてみて下さい。脚を付け根の内側に意識を置いて前に刺すように座り込む事を蹴り足、それを戻す事を引き足に例えて意識をもって座ってみて下さい。もちろん馬のリズムに合わせて+αの力を刺す方に意識するか引く方に指揮するか、またその両方の作用に意識を置くかで前進気勢と馬体の収縮バネに作用する事を意識して下さい。、そしてもう一つ騎座には必ず脚の扶助とが連動しています。これを+αの力に置き換える必要のある仔もいますので連動して作用させてみて下さい。もちろん、馬体の作用リズムに狂いがない事も前提です。感覚の問題もありますので、ピンとくる言葉や表現を見つける為にも何度でも御質問下さい、その後に解決できるヒントが見つかるかと思います。(直接指導が出来ないので非常にとらえにくい場合があります事をお許しください。)

シート(騎座)を感じる為には速足での練習が最短であり且つ、効率良いのです。兎に角、速足に時間をかけて呼吸をするように身体に染みつけて見て下さい。他の事に意識せずに騎乗継続するために丸馬場などで騎座に集中して感じてみる事も理想的な練習法です。
これは何十年と騎乗していても理解して意識して騎乗し、身体で感じなければ全く身に付きません!ここがスポーツ乗馬の入り口です。(もちろん騎座に意識しなくても軽く動くレジャー乗馬は誰でも安全に気軽に動かせると言うシッカリとした目的を前提に調教されている事を理解し、認めた上での違いと思って下さい。)

最後に一番重要な事、ライダーが馬を動かす(支配する)のではなく、馬とライダーが共に動く(共存する)事をお忘れなく。暑い日が続いていますが人馬ともしっかりケアしながら(特にオーバーワークにならない様に)意識して騎乗することで次へのステップアップ、頑張ってみて下さい。
コメント・御礼 1.
質問者:匿名希望さん 登録日時:2013/07/24 18:29
さっそくのアドバイス、どうもありがとうございました。
乗る馬の能力によってこちらの求めるものも当然違ってくるという考えはあったのですが、
今までレジャーウエスタンとスポーツウエスタンと 明確に分けて意識したことがなかった
ので、これからはより競技を目指した意識を持って騎乗していきたいと思います。 
私の場合、アドバイスいただいた中で 特に気になったのが前後左右のバランスです。
それから鐙の長さとスパーについても再度チェックしてみようと思います。
シートについては、なんとなくイメージはできましたが実際に意識して乗ってみて自分で
感じてみないと理解できたかどうか分かりませんので、また質問させていただければと
思います。(サンデーライダーなので 時間がかかるかもしれませんが、どうぞよろしく
お願いいたします。)まずは速足でじっくり乗ってみたいと思います。入り口が見えたと
いう事が今はとても嬉しいです。

競技を勉強しようと思った目的は、馬が人を乗せるという仕事の中で、できるだけ気持ち
よく運動してもらうこと (例えば、こちらの要求にすぐに反応してくれたら即運動を終了
させる、といったことができるように自分に技術が欲しいと思ったのですが、現時点では
まずこちらの要求を上手く伝えられないので、どうしても馬に練習につきあってもらうと
いう状態になってしまいがちです。)を目指したかったからなので、あらためて基本から
見直して馬と共存できるように頑張りたいと思います。
コメント 2.
アドバイザー:玉置 徹選手 登録日時:2013/07/25 06:26
コメント有難うございます。
騎座がシッカリ出来るまではサポートとしてホーンに軽く手を添えてみたり(バランス)、シートが適合できる速度まで手綱で減速しみたり(気勢のある馬の場合)、まず速足で意識をもって練習してみて下さい。その後、収縮につながるポイントは蹴り足よりも引き足なので、ここまで出来るようになれればほぼ完ぺきに騎乗馬の背を感じられている筈です。
現役のオープン馬ではなく調教がしっかり固まっているノンプロ馬又は練習馬なら大凡のミスも気になりませんし、週末騎乗なら平日にプロがコンディショニングをして馬を直している筈なので思い切り練習してみて下さい。
次回、御質問をお待ちしています!